MAMPにWordPressを入れてテストをしていると、ユーザー作成時やら何かとメール送信が必要になるタイミングがる。何も設定をしていないとローカル環境のWordPressのGmailアドレスからメール送信はできないので、利用できるようにする送信方法を備忘録がてら共有。
実際に動作確認した環境は「macOS Big Sur バージョン11.3 と MAMP Version 6.2」。実施する場合は自己責任でお願いするが、ちなみに数年前にもこの記事の内容は確かめたことがあり、当時の環境でも正常に動作していた。
また、極力、ターミナルは利用しないで設定する。
1. MAMPが起動している場合は、Stopする
2. Postfixの設定にgmail情報を追加する
修正ファイル /private/etc/postfix/main.cf
- Finder のメニュー「移動」>「フォルダへ移動」
/private/etc/postfix/
を入力して「移動」ボタンをクリックする - ファイルとフォルダのロック解除
/private/etc/postfix/
/private/etc/postfix/main.cf
2-1. フォルダ名、ファイル名をそれぞれ右クリック→「情報を見る」
2-2. ダイアログ右下のカギアイコンをクリック
2-3. マシン起動時のパスワードを入れる
2-4. 「共有とアクセス権」の「読み出しのみ」を「読み/書き」に変更する - main.cf をエディターで開いて、ファイルの一番下に、下記をそのままコピペする
# Gmail on MAMP # myorigin = gmail.com
myhostname = smtp.gmail.com
relayhost = [smtp.gmail.com]:587
smtp_sasl_auth_enable = yes
smtp_sasl_password_maps = hash:/private/etc/postfix/sasl_passwd
smtp_sasl_security_options = noanonymous
smtp_sasl_mechanism_filter = plain
inet_protocols = all
smtp_use_tls = yes
smtp_tls_security_level = encrypt
tls_random_source = dev:/dev/urandom - 手順2 で変更したmain.cf と postfix の「共有とアクセス権」を元に戻す(システムのみ「読み/書き」、あとは「読み出し」のみ)
3. gmail設定用のパスワードを取得する
Googleのアプリ パスワード画面からgmail設定用のパスワードを取得する
- Googleのアプリ パスワード 画面を表示する
https://security.google.com/settings/security/apppasswords - アプリを選択「メール」、デバイスを選択「Mac(ここは使用するマシーンを選択)」をそれぞれ選んで、「生成」ボタンを選択する
- パスワードが表示された画面に遷移する(再表示はできないので注意)
ここで取得したパスワードは後ほどコピペして利用するが、パスワードは再表示されないので注意。万が一、画面を閉じてしまった場合は、アプリパスワードを一回削除してもう一度作り直す。
4. 取得したパスワードコードを記述するためのファイルを作成する
- /private/etc/postfix/ の直下に 「sasl_passwd」というファイルを新規作成する(拡張子なし)
ちなみに、ファイル名は任意だが、2で記述した「smtp_sasl_password_maps」の値と一致させる必要がある - ファイルに下記を記述する
記述例) 設定したい送信元のgmailアドレス simplesimplesdesign@gmail.com 、パスワードが abcd-efgh-ijkl-mnop の場合[smtp.gmail.com]:587 メールアドレス@gmail.com:アプリパスワード
[smtp.gmail.com]:587 simplesimplesdesign@gmail.com:abcdefghijklmnop
5. ファイル権限設定とデータベースを作成する
ターミナルを起動する(「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」)。起動後、下記を実行する。
5-1. root権限以外はファイルを見れないようにする
sudo chmod 600 /private/etc/postfix/sasl_passwd
「Password: 」と表示されたら、パソコン起動時のパスワードを入力する。
5-2. データベースを作成する
sudo postmap /private/etc/postfix/sasl_passwd
sasl_passwd.db が作成されたら問題なし。
postmap: fatal: open database /private/etc/postfix/sasl_passwd.db: Permission denied
が表示されたら
/private/etc/postfix/
の「共有とアクセス権」に自分がないので、左下の「+」ボタンから自分を追加する
6. MAMPを起動して、ローカル環境からのメールを受信できるかテストする
ローカル環境からメールを送信できるか確認して、問題なくメールが受信できればすべて完了!
メールを受信できない場合は、下記を試してみる。
sudo postfix stop
sudo postfix start
もしくは
sudo postfix reload