2002年、映画「マイノリティ・リポート」を観て、現実世界に浮かび上がる様々な画面を操るUI/UXに心踊った方は多いと思う。自分もその一人。
2013年、LEAP MOTION というデバイスを購入。画面上に手をかざして、手の動きに合わせて画面上内の画面を移動させることができた。だがしかし、自分の開発スキルが圧倒的に足りず、当時は調べようにも昨今のような情報化された状態になく、夢絶たれる。
その後、ゲーム業界ではハンドコントローラーで操作することが浸透していく。ゲームはそんなにしないのだが、プレイステーションは新作が出るたびに購入しては満足するというスタイル。
マイノリティ・リポートに感化されたのだから、もちろん、VRにも興味はあって、「Webの次は何がいいか?」と聞かれるたびに「農業」と答えて「?」とされていたところから、「VR」と答えるようになって失笑される状態にあった。
実際、自分自身もVRデバイスを購入したことはなく、借りて使った程度。トータルでも数時間しか使ったことがないし、現実的には、ヘッドマウントデバイスはメガネくらいのサイズ感になるまでは流行らないと思っているから、どう思われても「だよね」という感覚で全く気にしない。
でも携帯電話が誕生したときのサイズと価格を思い出してほしい。必要とされるスピードが速いほど、小型化と安価化は加速するだろうけど、ヘッドマウントデバイスが誕生してからの年月を考えるとメガネサイズになるのはまだまだ先のことかもしれない。
2014年、FacebookはOculus VRの買収し、さらに2021年には社名をmetaに変更し、VR分野へ本格的に舵を切った。そのときは「ついに来た!」と思ったが、Facebookを持ってしても大衆の世界を変えることはできていない。
取り止めのない前置きとなってしまったことをご容赦願いたい。そして、噂はずっとありながら、ついに発表されたのがAppleのヘッドマウントデバイス、Vision Proだ。
さすがAppleと感じるのは、世界観(プロモーションのうまさ)と他のVRとは一線を画しているUI/UXだ(あくまで情報収集しただけだけど)。
Vision Pro は、iMac、iPod、iPhone、iPadが登場したときと同じようなこと
Vision Proは、これまでのヘッドマウントデバイスと横並びの製品という認識ではなく、全く新しい体験を提供する、という。現実世界に仮想空間を重ねて、大画面モニターを設置したり、モニターを複数設置したり、他より解像度が綺麗だったり、そういう差はなんというか時間の問題で、どこでも改良してくるんだろうなと思ってしまう。でも、さすがはApple。圧倒的な体験差があった。
マウスを動かしていることを、視線が行う
そう、マウスを動かす代わりに、視線を動かすことで、視線の先を選択した状態にできるという。これだけで、これまでとは圧倒的に体験が違うし、度肝を抜かれたところ。
マウスを動かすより、視線を動かした方が速いことを考えれば、いやぁ、いち早く体験してみたい。
結局のところ、VRの急速な普及は生活に欠かせない存在になれるかが課題となるわけだが、正直これまでのヘッドマウントデバイスではそこに到達することはできていない。
果たして、Apple Vision Proはどこまでぼくたちを次の世界に連れて行ってくれるのか。期待しかない。少なくとも比較対象として、今秋に発売される Meta Quest 3 がより安価になって登場したら購入してしまうかもしれない。
- Vision Pro
- https://www.apple.com/apple-vision-pro/