リサーチ手法のひとつ、カードソーティングについて、まとめてみます。
まず大別して3種類ある。
- クローズド・カードソート
- オープン・カードソート
- デルファイ・カードソート
ここでは、オープン・カードソートをピックアップ。
こんなときに役立つ
- ユーザーが情報をどのように捉えているかを理解し、意味がわかりやすいように情報を分類したい時
- 情報を構造化する際、何通りかの選択肢を検討したい場合
- 分類しにくい項目や、他の項目ほど重要度が高くなさそうな項目を見つけたい場合
潜在的な課題
最終目的は、ユーザーが何らかのアクションを起こすこと。しかし、ユーザーは提供している情報を発見または理解できなければ、アクションを起こすことは難しい。そのために、ナビゲーションやメニューなどの分類方法には、ユーザーのメンタルモデルを反映させなければならない。
こんなことが学べる
- ナビゲーションやメニューなどで各種の項目を体系的に整理し分類するにあたり、異なる基準に基づく何通りもの分類法を見つけ出すことができる。
- ユーザーが自身の求めている情報に辿り着ける可能性のもっとも高い分類法を特定できる。
調査方法
ユーザーが各種の項目をどのように分類し、グループ化するかを調べることができる。
- テーマに関係のあるコンセプト、用語、特徴をひとつずつカードにして用意する。
- リサーチするべきテーマに詳しい人物に進行役を依頼し、ターゲット層の中から参加者を選ぶ(参加者もある程度情報を持った人物であることが望ましい)。
- 1回のセッションの参加者は1人、または少人数グループ(3~5人程度)とし、参加者を入れ換えながら同じテストを繰り返す。
- 参加者の合計人数を制限する。セッションの適正回数は15回(ヤコブ・ニールセン 2004年発表)。
- 使用するカードを30~100枚、分類作業の時間をカード50枚につき30分とする。
「これらのカードを、あなたにとってわかるように、いくつかのグループに分類してください」 - 何も書かれていないカードとマーカーを用意し、参加者が必要に応じて自分で新しいカードを作成できるようにする。
- ユーザーに各グループを、さらに大枠のグループにまとめてもらい、各グループに名前を付けてもらう。
- カードソーティングを10回行っても一貫性のあるパターンが現れない時は、カードに記載したキーワードを変えてみるか、カテゴリーの設定の仕方を変えてみると。
重要ポイント
カードソーティングの最大の価値は、分類中の発言であり、成否のカギは、調査結果の分析である。
分類中の発言
同じグループにそのカードを入れたという純粋な事実だけでなく、なぜユーザーが特定のカードを同じグループに入れたのかを知ることによって、メンタルモデルのより深い洞察が得られる。