動機づけのモデルケース
- ゴールにどれくらい近づいているか、フィードバックを与えるだけで、達成度が上がる。(コーヒーショップのスタンプカード)
- 「いい気分」をつくってから仕事に取りかかった方が結果的に作業がはかどり、ミスも減る。(キャンディ)
- 消費ゴールは人を幸福にする(平均して8週間しか持続しない)。しかしその効果があるのは「計画しているとき」だけであり、実現した後はほとんど効果がない(旅行の幸福度)
- 断定より疑問の方が、答えとモチベーションを引き出す助けになる(I will より Will I?)
- 自分の価値観を思い出すと、自信が強まり、周りの人に対する愛情が深まる(冬休みの日記)
- 自主的な行動に対してごほうびを与えると、内発的動機づけが損なわれるので注意が必要(事前にごほうびの条件を示すことのメリット・デメリット)
- 必要アクションの数が減ると行動が早まり、数が増えると行動がゆっくりになる(クッキーの梱包)
- 同じ行動を取っていると認識できると、協力関係になりやすい(歌を異なる条件で聞く)
- 批判をすると課題のレベルが上がり、敬意を払うと課題のレベルが下がる(噂後の評価)
- 他人との比較よりも、自分の成長度合いによって評価された方が人は努力しやすい(テスト評価)
- 右にあるものを、より重要なものだとして捉える傾向がある(陳列)
- インセンティブは「成功したらあげる」より「失敗したら取り上げる」方が効果がある(テスト前)
- 「理由」「同情」「選択」で相手の気持ちに寄り添うと、動いてもらいやすい(単純作業の課題)
- なにかをやってもらいたいときは、相手の自主性を重んじた方が、のぞむ結果が出やすい(歯の手入れ)
6つのニーズを意識して行動と結びつける
- 安定感
- 変化(不安定感)
- 重要感
- つながり
- 成長
- 貢献
人材育成のモデルケース
- 人の考えは”理由”をたずねると強化され、”目的”をたずねると軟化する傾向がある(従業員アンケート)
- 人は使った言葉に、ふさわしい人物を体現する(言葉連想後の行動)
- 地位がない人が意見やアイデアを出すと、嫌われやすい(部下にしてもらって嬉しいこと)
- 人数が多いければ多いほど自分ではない誰かが対処してくれると思いやすい(ピンチの時)
- 一つの誘惑に勝てるということは他のあらゆる誘惑に対しても、自制心が働きやすいということ(マシュマロの誘惑)
- 持って生まれた性格とは関係なく、役割は人間に大きな影響を与える(囚人と看守)
- 人柄を褒めると、道徳的なおこないを増やしてくれる(ビー玉の分配)
- 行動や環境と結びつけて叱った方が、行動をスムーズに修正してもらえる(ビー玉の分配)
- 人は自分と主義が似ているけど、考えを徹底していない人のことを嫌う傾向がある(ビーガンVSベジタリアン)
- 匿名性を持つと、モラルから外れやすい(ハロウィーン)
- 思考せずにパッと思い浮かんだ答えは、間違っていることが多い(大学生への問題)
- いま自分が取り組んでいる仕事が、社会にどんな風に役立つかを考えると、モチベーションが上がる(高校生の勉強時間)
- 何度か失敗したというだけで、うまくいく可能性が残されているにも関わらず、私たちはいともたやすくあきらめやすい(音量)
- 「できる」とラベルづけされた人は、「できる」が実現するように周囲から特別扱いされる(全校テスト)
- 環境によって、人はいくらでも変化する(身長計測)
- 他意のない人選は、くじ引きにした方が、無用に人の自己評価を下げずに済む(グループ分け)
相手の視点になる
- 相手の決めつけを捨てて、相手の感情にフォーカスすることが必要
- 「快感」と「痛み」を感じるポイントを整理して、相手の価値観に立って伝える
目標設定のモデルケース
- 人は求められた以上のことをしない傾向があるが、具体的で、難しすぎず、受け入れられるレベルの目標を提示されると、やる気をだす(最大積載量の表記)
- 他者との競争は過信を生みやすく、自分との競争は意欲を生みやすい(課題終了ごとの成績発表)
- 一緒に楽しいことをするよりも、協力が必要な場面を共有した方が、信頼関係が芽生えやすい(キャンプ場での共同作業)
- 「将来に対する期待」が、目標を達成できるかどうかのカギになる(店の前で紙幣を落とした運と偶然のチャンスの関係)
- 大勢の人間が一緒だと、他の人に結果を委ねやすく、他の誰かがやってくれるだろうという心理が動く(ロープ引きの人数)
- 締め切りを細かく区切ることで目標をクリアできるかどうかが左右される(レポート提出と期限)
- 理由を考えていると行動力が鈍り、「何をすべきか?」に意識を向けると具体的な行動をしやすくなる(「なぜ」か「どうすれば」のアンケート)
- 自信に満ちているような人でも、最悪の事態を想定することでその不安をモチベーションに変えている人もいる(ダーツの命中率)
- 「自分の行動が、他人にどういう影響を与えるか」という点を強調して伝えると、関心を持ってもらいやすい(手洗いの張り紙)
- 自分の作業日数は、楽観的に見積もりやすいから、今できることは今やる(卒論作成の予測日数と実日数)
- 自分のことになると安定志向になるが、他人のことになると「何をすれば後悔しないのか」がわかる(卒業後の進路)
- 予想をするときは、最大と最小、最高と最悪を考えた方が当たりやすい(映画の興行収入の予測)
- 多めにやろうと決める(ジャンピングジャック)
カジュアルに目標設定
- もともとやる気のない人間はいない。やる気をなくすような目標を持った人間がいるだけ
- 「その目標を達成したとき、自分はどうなっていればいいか?」を何度も確認する
意思決定のモデルケース
- 「得るもの」か「失うもの」か話の順番によって、選びたいものが変わる傾向がある(リストラの報告)
- 情報が多いほど、偏りが少なくなる(事情聴取)
- 穏やかなに快適に暮らす幸せもある。けど、あとで振り返ったときに「あのときは大変だったけど、よい経験だった」と思える方が、脳はより幸福を感じる(経験の自己と記憶の自己)
- 他人の価値観は、自分と同じようなものだと思い込みやすい(携帯電話の所持率)
- 私たちは物事を評価するとき、他のものとの関係でとらえている(Web版と印刷版)
- 計画を持たず、記憶を頼りにすると、誘惑に弱くなる(お買い物)
- 決断に際して、先にリーダーが助言をしてしまうと、思考機能を停止してしまう(MRIと助言)
- 決定を先延ばしすることによって自分にとって最適な答えを見つけやすくなる(クルマを買う場面)
- あらわれた選択肢によって決定の仕方が違う(ビデオ購入)
- 無意識のパターン認識が優れているため、「直感」が「分析」に勝ることがある(ブランド品の本物判別)
- 常識はずれな物事からはじめると、独創的なアイデアが生まれやすい(ブレインストーミング)
- 値段が安ければ安いなりの、値段が高ければ高いなりの受け取り方をする(ワインの価格)
- 最初に発言する人は、発言力が高まりやすく、リーダーにもなりやすい(グループレッスン)
- リーダーが「成長できる」というマインドセットを持っているとチームのメンバーが考える力を持つことができる(チームディスカッション)
- 私たちは第一印象だけで人のことを実際以上に「わかったつもり」になる(大学面接)
得たい結果を踏まえ、決定の数を増やすOOCEMR
- Outcome: 全体として、長期的に、どこに向かおうとしているのか得たい結果を明らかにする
- Option: 「あれもできるし、これもできる」と選択肢を出し続ける
- Consequence: 行動の量を増やしてなんでもいいから結果を出す。結果には一喜一憂しない
- Evaluate: Outcomeにどれだけ近づいているか評価する
- Mitigate: マイナス面を補えるものないか?→アイデアが生まれやすくなる
- Resolve: 「誰が、いつまでに、どうするのか」をその場で決め、締め切りを作る
人脈作りのモデルケース
- 好き嫌いとは関係なく、人は何かをしてもらうとその分返したい欲求がわく(コーラとくじ)
- 相手の行動や癖をそっくり真似ると、相手は自分に好意を持ちやすい(レストランのオーダー)
- はじめに複数案あった方が、建設的なやりとりがしやすくなる(広告制作)
- 先に提示された性質は、後で提示された性質を包括するほど強い意味を持つ(初対面の印象)
- 誰もが「他人は自分に注意している」と思うが、自分が思っているほど、他人は自分に注意を向けていない(ダサいプリントTシャツ)
- 小さな行動を起こすことによって、新しいアイデンティティが作られる(安全運転の看板設置)
- 好奇心の強い人は、いろんな人と仲良くなれるチャンスがある(相手の相違点に関心を示す)
- 相手の気持ちに寄り添うよりも相手になりきった方が、交渉は成功しやすい(売り手買い手)
- 自分の考えは、自分が考えているよりも、よっぽど読まれにくい(交渉)
- 私たちはたとえ赤の他人同士でも、期待をかければ、応えようとする(海辺の置き引き)
自己管理のモデルケース
- 時間不足は人の信念を失わせる(講堂への移動)
- 気持ちが高ぶっているときは、「落ち着こう」と努力するよりも、「これは興奮状態だ」と認めた方がパフォーマンスが高くなる傾向がある(スピーチ)
- ストレスがかかると自制心を消耗し、すべてにおいて、我慢することが困難になる(空腹状態のパズル)
- 怒りを発散させようとすると、怒りは余計に加速し、静かに座っていると、怒りは落ち着く(怒り後の行動)
- 気分が姿勢に影響を与える一方、姿勢も気分に影響を与える(ポージング)
- 事前に考えすぎたり分析しすぎたりすると行動力が鈍っていく傾向がある(冷水に手を入れる)
- 交互練習は集中練習と比べて、理解しずらく、成果も実感しづらいが、長期記憶に役に立つ(立体の体積)
- 自発的な判断は、正しいか間違っているかとは関係なく集団に合わせたいという心理によって鈍る(線の長さ)
- 自分でコントロールできることが幸せで、健康的な生活を維持できる(植物の世話)
- ポジティブな空想は、人をリラックスさせると同時に人の行動力を奪う可能性があるので注意(ハイヒール)
- 選択肢が多すぎると、人は選ぶことに困難さを感じる(ジャム)
- プレッシャーを感じると、ワーキングメモリが阻害される(リハーサルテスト)
- 学習の初期段階で「ほかのやり方があるかもしれない」と認識すると、創造性が増す(ピアノレッスン)
- 触れる言葉、使う言葉によって、ストレス量は変化する(スクリーン)
- 「笑顔」で取り組むと、物事を楽しむことができる(マンガと鉛筆)
- 私たちは事実よりも「印象」を重要視しやすい(寄付)
発想転換のモデルケース
- 問題がある前提でたずねた方が問題点を確かめやすい(家電販売のロールプレイ)
- 内容とは関係なく、否定的な言い方には説得力がある(レビュー)
- 人はたった数分間でも所用すると愛着を持ち、手放す痛みが生じる(ロゴ入りマグカップ)
- どんなに合理的な考えを持つ大人でもひとたびある考えを信じると、意識的にその裏付けを探そうとする(シュート率とお祈り)
- カテゴリで分けると、偏った考えを持ちやすくなる(気温の予測)
- ある物事が一旦自分の経験に近づくと、その物事を肯定的に見る癖がある(味覚と健康)
- 「やらされている感」を持たされている人は、他人に対しても「やらされている感」を与えがち(パズルの解き方)
- 目の前の出来事に対して都合が良いように記憶がすり替わる(合成写真)
- 自分が直面している問題よりも他人が直面している問題の方が答えを見つけやすい(ロープ脱獄)
- 意識していなければ、それが目の前で起きていても、気がつかない(作業員と通行人)
- 当事者の予想は甘すぎる、管理者の予想は厳しすぎる、第三者の予想が一番当たりやすい(サーカス予測)
- 人は、何かしらの理由がある行動には疑問を持ちにくい(急ぎのコピー)
- 仮定で考えるよりも、「そうなった」という前提から考えた方が、発想が膨らみやすい(退社理由)
- その人の善悪にかかわらず、状況や権威の力は、人間性にまで影響を及ぼしてしまう。むしろ善人だからこそ、なんの抵抗もなく悪事に従ってしまうことがある(生徒と教師)
- 人の行動を鮮明に描写することは、その行動を印象付けることになる(裁判所のシミュレーション)
- 相手のどこに意識を向けるかによって、現状の認識も変わってくる(夫婦仲)
最後に、改めて本書の紹介。気になったら一読をオススメしたい。