ぼくが作ろうとしたのは「コインを購入してもらって、そのコインをコンテンツ内で利用してもらう」というもの。
PayPalの決済ボタンを設置するには、大きく3種類あって、「API認証を使って自由自在に作り込む」「html/JavaScriptの知識で決済フォームを取り入れる」「管理ツールでボタン作成し、自動生成されたhtmlコードを貼り付ける」。
A. 「API認証を使って自由自在に作り込む」
1日目)ググりながら意味が分からないまま、いろんな記事をコピペしながら試すもできない。そもそも開発環境のアカウントを作ることもできずに諦めた(エンジニアの方にぜひ作ってほしい、予算ないけども…)。
B. 「html/JavaScriptの知識で決済フォームを取り入れる」
2日目半日)PayPalアカウントがなくても口座引き落としやクレジットカード決済ができるということで、これはいい!と思いトライ。購入ボタンを選択した際に指定サイズのウィンドウが開かれることがどうしても嫌で(これでコンバージョンがよくなるということだが…)、半日で諦めることに。そもそも仕様以前に英語のドキュメントに苦戦して導入できなかったのだけど(涙)。
C. 「管理ツールでボタン作成し、自動生成されたhtmlコードを貼り付ける」
2日目のひととき)この方法はスーパー簡単。管理画面をポチポチして一瞬で完成。
致命的な問題
3日目)結局、管理ツールでボタン作成し、自動生成されたhtmlコードを貼り付けることにした。それまでは良かったが、運用をイメージしたときに大きな問題が3つ発生することが判明。
- 決済後のコンテンツに戻るときや決済をキャンセルする場合、利用者が意図してPayPal側の画面内の導線を選択しないと運用側は検知できない(ブラウザバックだと追えない)
- 決済後に、決済完了メールを受け取り、手動でコインを付与するタイムラグが発生する運用となる
- コインを付与する際、コンテンツ側で利用者情報を取得していないため、コイン購入者とコンテンツ利用者を紐付けることができない
3つ目に関しては、とくに致命的。利用者と購入者が紐付けできなければコインを付与できない。購入時に利用者にユーザーIDを入力してもらうなど紐付けするフローは考えられるが、記入ミスや記入漏れのヒューマンエラーは避けたい。また、ユーザー登録時に本名やPayPal登録情報を入力してもらうことで紐づけることも考えられるが、過度に個人を特定する情報の保持は避けたい。
PayPalには返金機能があるので対応はできるとしても、もし正常にコインが付与され、そのコインの利用後に返金依頼がきたら、利用状況は確認できないので全額返金するしかないという究極な性善説で稼働させるしかない(被害は運用側のみなので、最初はこれでもいいかもしれないが)。
命題「決済時にコインを付与する」
決済時に利用者と決済者を紐付けして、タイムラグが発生することなくコインを付与するにはどうしたらいいか。この命題にフォーカスして改善策を考える。
PayPalを利用した画面遷移
購入時
購入ボタン → PayPal決済画面 → PayPal決済完了画面 → 購入画面
購入キャンセル時
購入ボタン → PayPal決済画面 → 購入画面
購入画面内の購入ボタンを押した後のフロー
- 「誰が」「いつ」「何を」購入しようとしているかの情報をDB保存する
- 購入しようとしているユニークなフラグを立て、その情報を保持する
- そのあとで、PayPal決済画面へ遷移する
- 決済完了画面、もしくはキャンセル画面へ遷移時、2で立てたユニークな情報と一致するか判別し、一致した場合はステータスを申請から完了、もしくはキャンセルに変更し、フラグを消去する
- 購入したコインを反映させる
PayPal画面では、決済完了後、キャンセル後のページを指定できるので、それぞれ遷移した後、DB処理をした後に購入画面にリダイレクトするようにしている。とくに購入完了画面は大事で不正なアクセスがあった場合のケアを充分にしておく必要がある。
A 購入キャンセル後、コンテンツに戻らなかった場合
購入ボタンを選択時に、購入申請情報としてデータ保持した情報は残ったままだが、残っているからといって害になる情報ではないためそのまま。むしろ申請情報のログは何かに役立たせることができるかもしれない。
B 購入後、コンテンツに戻らなかった場合
購入ボタンを選択時に、購入申請情報としてデータ保持し、即時反映ではなく、手動で付与する。即時反映できない例外ケースとなる。
C (PayPalへの要望)決済完了時は、自動でリダイレクトして欲しい
リダイレクトされると、B 購入後コンテンツに戻らない、というリスクを排除できる
なんとか完成
とりあえずローカル環境で期待通りに動作するところまで完成。今日中にはステージングでの動作確認まで終わらせたい。
とにもかくにも、こうしてステイホームな2020年GWは終わりました(笑)。