人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて
(当時46歳)
この「人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて」は、書籍「漫画 君たちはどう生きるか」の章タイトルだ。ここに書かれている内容が、何かしらの気づきがあるのかもしれないと思って、読み返してみた。
正直、人生のどん底にいる。
これは自分が選んだ道だし、なんとか綱渡りながら生活してきたが、ふと立ち止まったときの孤独感が半端ない。世間体や地位や常識なんかに縛られるなと「自分らしさ」を追求していた20代。その先には社会貢献の素晴らしさを知り「自我」は自然と消えていた。
それで良かったはずなのに「これが一生だとしたら何かが違う」とはみ出してしまった46歳独身。
学生時代を含めて、資金繰りは一番苦しい状況になっている。それなのに、プライドが邪魔して、世間体や地位や常識に押しつぶされて、フリーターや日雇いバイトの道も再就職活動もできずに立ち往生している。
なぜこんな告白をするのか。
まずは現実を認めることから始めようと決めたからだ。
書籍の中でこう語られる。
「王位を奪われた国王以外に、誰が、国王でないことを不幸に感じるものがあろうか。(中略)現在の自分を悲しく思うのは、本来王位にあるべき身が、王位にないからだ」
これにはハッとさせられる。どれだけ世間体や常識にとらわれているのか痛感する。さらにこうも語られている。
「悲しいことや、つらいことや、苦しいことに出会うおかげで、僕たちは、本来人間がどういうものであるか、ということを知るんだ。(中略)苦しみや不幸は、実は、自分勝手な欲望を抱いたり、つまらない虚栄心が捨てられないということから起こっているのであって、そういう欲望や虚栄心を捨てれば、それと同時になくなるものなんだ」
現実の身動きが取れない苦しい状態から、少し抜け出れそうな気がする。